常夜燈索引

                    

  世界金融・経済危機を救う「円」 
       (世界戦略情報「みち」平成21年(2669)2月1日第287号) 

▼米国発の金融危機、経済恐慌の勃発で、米国一極世界支配体制が終焉を迎えようとしている。米合衆国は世界でもトップクラスの農業生産高を誇り、石油・石炭・鉄鉱石など資源も豊富な人口二億八千万人を擁する大国である。まともな経済運営をしていれば裕福な国として繁栄しているはずだった。
 ところが大博打を張り続けた末の破綻である。なぜこんなことが起きたのか。簡単にいえば、衰退したが狡知に長けた麻薬密売人にしてカジノ経営者の大英帝国が、持ちつけない大金を手にした田舎者の米国を、あの手この手で幻惑してあらゆる歓楽で身を持ち崩させた結果が今回の破綻だった。もちろん、宮廷ユダヤ人たちがその中間でしっかり鞘を抜いていたのは言うまでもない。
 米国の方も歴史への無知からか、大英帝国のパシリはお役御免とばかりにサブプライム爆弾を自爆させ、もう博打のゼニはすっからかんです、と根っからのワルの遊び人である英国に弱音を吐いて、縁を切ろうとしているかのようだ。昔ながらの純朴かつ豊かな田園生活にもどりたいというのが一般米国人の偽らざる心境だろう。
▼戦後の政権政党自民党は最大の後盾だった米国を失い、日米安保をはじめとする戦後日本を支えてきた対米依存構造もいよいよ崩壊過程に入る。わが国は国防・食料・エネルギー・外交における「自立」を果たさなければならない。つまり、わが国が世界多極化の中で一極を形成する好機が到来したのである。
 自立の第一歩は自国の防衛は自国の国軍が担当するという国防主権の確立である。在日米軍を速やかに撤退させ、日本軍が国防に当たるという当然の姿に立ち返るのだ。
 米国軍は世界各国に駐留しているが、イラク、アフガニスタンなどの戦時国を別として、平時国の駐留規模は、

一、ドイツ(六万八四〇〇人)
二、日本(三万八四五〇人)
三、韓国(三万七一四〇人)
四、イタリア(一万七九〇人)

となっていて、旧敵国をいまでも警戒し米軍占領下においていることがよく分かる。
 わが国はドイツ、イタリアなどと声を揃えて、「アメリカさん、悪い友達との付き合いをやめて、保護主義とかモンロー主義とかいわれようが、早くアメリカ青年を外国から田舎に帰らせ、荒れ放題の田園の復元に取り組みなさい」と言ってやるべきであり、これが良き友人の務めである。
▼レバレッジといえばもっともらしいが、要するに一万円しか手元になくても、百万円まで博打を張らせてやる、という清水次郎長も驚く、滅茶苦茶なギャンブルのやり方で、掛金が少なくてリターンが大きいという勝ったときの宣伝が効いて、これに世界中の金融機関や投資家はおろか、自治体や保険組合、果ては大学までもが湯水のように資金を投じた。欲に目が眩んだ秀才たちは、こんなうまい話が続くはずはない、と分かっていながらも博打が止められなかった。世界中の膨大な資金が流入して相場が馬鹿デカくなったため、破綻するまでに時間がかかった。それで、大損がバレるのも遅れたのだ。
 経済危機に喘ぐ米国、すなわち博打に負けスッテンテンとなりホームレスになろうとしている米国に三度の飯が食べられるようにしてやる方策を日本が出してやれば、米軍にお引取りいただく交渉も容易くなろう。
 米国が(もちろん世界も)苦しんでいるのは、数字現象に、である。経済現象、つまり衣食住の不足に苦しんでいるわけではない。衣食住はある意味で世界中に溢れかえるくらい存在し、日々生産されている。ただこれを買う「おかね」が不足しているのだ。
 犬や猫は食物を食べるのに、いちいち数字を印刷した紙や、丸い金属片を差し出したりはしない。いきなり食物に喰らいつくだけだ。奇妙な紙や金属片は脳が発達した人間だけに通用する奇習であり、本能で動くリアリストの動植物にはまったく無用の存在である。
 紙でしかない基軸通貨ドルがさらにコンピューターの中の数字として取引され、その仮想現実が肥大して、人間に襲い掛かっているかのごとき幻想を抱かされているのがこの危機の実相である。大停電が起こって、取引記録が抹消されても経済=衣食住が消滅するわけではない。猪や牛にとって年がら年中おかしな画面に見入って一喜一憂している人間こそ、まともな自然界の仲間とは見えないことだろう。
 世界基軸通貨を経済現象=衣食住に基礎をおいた生態系通貨にすることが、米国はじめ世界の「金融・経済危機」を救うみちである。
▼その具体的な方策は簡単だ。「円」をドルに代わる世界基軸通貨にすればよい。すべての米国の借金を円が肩代わりして払ってやり、回収したドルは燃やすなり、コンピューター上で削除する。その代わり基軸通貨・円は以後、信用取引やレバレッジなど実需に基づかない取引に使用することを禁止する。
 円が世界でもっとも信用力があるのはわが国が生態系に基づく随神国(かんながらのくに)だからで、円を基軸とすれば、世界経済は自ずからにカジノ経済から皇道経済へと大転換することになる。(青不動)