常夜燈索引 

                 

 日本再建はじまる
  (世界戦略情報「みち」平成21年(皇紀2669)9月1日第300号)

▼去る八月三〇日に行なわれた衆議院選挙において戦後政治を主導してきた自民党が惨敗、代わって民主党が圧勝、単独過半数を大幅に上回る四八〇議席中の三〇八議席を獲得して、政権交代が実現することになった。
 しかし、今回の選挙結果を単に政権交代の画期とのみ捉えるのでは不十分である。誰の目にも明らかなように、戦後の日本政治の大きな枠組みだった五五年体制が完全に終わりを告げるという意味で、今回の選挙は日本の歴史における一大転換を画する選挙であった。
 五五年体制の権力側に寄生してあらゆる利権を貪ぼってきた公明党=創価学会が大幅に議席を減らしたことも注目されてよい。
 わが国建国以来初めて、白村江の戦いのような局地紛争ではなく国を挙げて総力戦に敗れた大東亜戦争から六十有余年、サンフランシスコ講和条約により独立 を回復したとはいえ、実質的には米国の属国状態に置かれたままわが国は今日に至っている。真の独立国家にはあるまじき、かかる隷属状態を担保してきたのが 自民党を中心とする五五年体制だった。
 この隷属を覆い隠すために、政治家も官僚も、国家の指導に任ずるべき者たちは国民に嘘を言わなければならないという屈辱を強いられてきた。
▼冷静に考えてみよう、米国への隷属状態が今回の選挙により大きく変わるものかどうかを。米国への隷属状態に付けこんで、NHKの偏向番組製作に見られる ような対日謀略工作を恣にしている共産支那の傍若無人が止むものかどうかを。選挙用に拵えた国民向けの「マニフェスト」に何を謳っているかどうかに拘ら ず、臆面もなくむしろ誇らしげにフリーメーソン用語を語るような代表を戴く民主党には何の期待もできない。わが日本の半国家状態を覆し、国家として真の独 立を果たそうという自覚も意欲も、民主党にはないからである。
 同床異夢の寄合所帯である民主党はやがて分裂を避けることができなくなろう。今回の選挙で民意を一身に担った民主党が何らの為すことなく自らが墓穴を 掘って地に墜ちる時がやがて来る。その時こそ、わが日本の歴史にとって真の大転換点となる。▼嘘とペテンで塗り固められた五五年体制の半国家状態で日本は よくも六〇年余りもやってこられたものだと驚くほかないのだが、このことは篤と考えなければならない。とっくの昔に国家として破綻し国民として四分五裂し ていても何の不思議もないわが日本が、なにゆえに曲がりなりにも国家として今日も存続しているのか。それは日本が古来よりの聖地であり、中心に揺るぎない 神格天皇がいらっしゃるからにほかならない。
 然るに、懼れ多くもその神格天皇を東京行宮にいわば拉致し押し込め奉ったまま、日本人の誰一人そのご不自由に思いを致すことなく、明治の御一新以来はや 百四十有余年が過ぎようとしている。いかなる天罰・神罰を蒙って天変地異に見舞われようと何の不思議もない不敬であった。
▼「民の声は神の声」(Vox Populi Vox Dei)なる衆愚政治の欺瞞を民主主義の根拠だと信奉して「天声人語」なるコラムまで設けオピニオンリーダーを以て自ら任じている朝日新聞の為体を眺めれ ば、民の声は必ずしも天の声でないことが分かろうというものである。他人に決して委ねられない意志というものが人間にはある。民主圧勝による政権交代の目 新しさに惑わされることなく、嘘を吐くことを余儀なくされる半国家日本の政治家・官僚に期待することなく、また地に墜ちた道義・倫理を嘆くことなく、総じ て他に恃み何かを求めるのではなく、どのように悲惨な絶望的状況にあっても自らが一人で孜孜として努めなければならぬことがある。
▼今やわが国においては、すべて箍が緩んで、ガタガタの状況にあるというのが誰しもの偽らざる感想であろう。非正規雇用に頼ることを止めない製造業も、農業においても教育においても、はたまた医療や福祉においても出鱈目が大手を振って罷り通っている。
 しかしながら、他を恃み、ましてや政治に期待するなんどということは、二の次三の次としなければならない。まずは自らの意志と工夫で自ら行なうことが先 決である。たとえその結果が芳しくなかろうと、苦笑いを浮かべて笑って甘受する。それが日本人というものではなかろうか。 (黒不動)