常夜燈索引

                    

 体験的UFO実在論 
(世界戦略情報「みち」平成24年(2672)12月15日第373号) 

▼UFOは実在する。実体験で得た確信だ。最初に見たのは四〇年前の秋、東京練馬の上空に灰白色の飛行船状の物体が浮かんでいた。私だけでなく通りすがりの紳士と主婦が目撃し、数秒後それは流れるように西方に消えていった。翌日の新聞に「練馬でUFO騒ぎ」といったベタ記事が載ったところをみると目撃者は多かったようだ。その一〇年後には妻子を乗せて車を運転中に光球に襲われた。遥か上空にあった光が車に向かって急降下し、衝突直前で視界から消えた。停車してみると黄白色に鈍く光る直径二〇~三〇センチ程の球体が車の後方数メートルに浮かんでいた。他にも奇妙な飛行物体を何度か目撃しUFOの存在は実感しているが、それが地球外宇宙から飛来したとは断じて思えない。UFOに関する本を読み漁り宇宙人飛来説を唱える人々とも語りあったが、物的証拠を提示されたことは一度もない。UFOは間違いなく実在する。然しそれは宇宙人の乗り物でも探査機でもない。
 昭和六三年にソ連UFO研究所所長ウラジーミル・G・アジャザ博士が来日した際に短時間の取材を行なった。三万件のUFOの目撃報告を精査したソ連UFO研究所はその殆どが見誤りや虚偽報告と結論。全体の一%以下の二〇〇件弱は説明不能の事件とされ詳細な調査が行なわれたが、地球外物体が飛来したと推定される事件は一切無かったという。博士は言葉を選んで慎重に語り、その内容は常識的な学者の言葉に留まっていた。
 露語の通訳を帰しノートも録音機も仕舞い、食事をしながら英語の雑談中に興味深い話を聞くことができた。UFO目撃事件は三、四種に分類できるが、その一つに「非生命体が意思を持つ生物のような動きを見せる」場合があり、それは霊的現象に酷似し、時に異次元の存在と考えられるという。博士のUFO談議の中には集団幻想といった内容もあったが「隠れて行なわれる観測、研究、実験」がUFOの正体としては最も納得できるものだった。博士は小型無人機の例を取り上げ、それが飛躍的進歩を遂げると予言したが、彼が軍人であったことを考えると当然の話でもある。こうした夢物語だけではなく日本軍の蒟蒻爆弾を熟知していたことも興味深かった。近年博士は異次元説に偏っているが、嘗ては全方位を均等に分析していた。
▼二〇一一年一二月にイランは米軍無人偵察機RQ一七〇を無傷の状態で捕獲し、映像を公開した。オバマ大統領はそれが米国製無人ステルス偵察機であることを認め返還を求めたが、イランはこれに応じていない。RQ一七〇は全長四・七メートルだが無人機としてよく知られる偵察機RQ四グローバルホークは全長一五メートル、翼幅四〇メートルという巨大なもの。この機は三一一震災直後に福島上空を飛び回っていたことで知られる。地震直後の津波の映像は更に小型の無人機が撮影したと推測される。米軍は二〇〇五年以降アフガンのタリバン掃討戦に全長一メートルの無人機RQ一一を投入しているが、津波の映像はこの小型機かもしれない。何れにせよ膨大な数の無人探査機が世界中で活躍しているらしい。昨秋、防衛省技研本部が直径四〇センチ程の球形無人探査機を公開したが、部品の全ては秋葉原で揃えることも可能だという。専門家によると最小の無人機は蜻蛉や甲虫程度の大きさで、監視網を掻い潜って飛行し映像を送信することが可能だという。
▼今年八月末にシリア内戦取材中の山本美香さんが銃撃を受け死亡した。彼女を現地に案内した自由シリア軍(反政府軍)によると、山本さんは政府軍の砲撃を浴びたという。わが国政府もこれを認めたが、一部には反政府軍による銃撃だったとの説もある。どちらが真実か不明だが、そのシリアではUFO目撃情報が絶えない。
 オバマ大統領はシリアが生物化学兵器を使用した時点で限定的に米正規軍を投入すると言明。一二月五日、米国務省はシリア政府軍がサリン等複数の化学物質を装填した爆弾を準備したと報じている。一方シリア政府は生化学兵器の保有を否定している。万一サリン等が使用された場合、何れの軍によるものか判断は極めて難しい。
▼サリン等の生物化学兵器は貧者の原爆と称される。オウムの地下鉄事件の二年後、平成九年に発効した化学兵器禁止条約に一九〇の国々が署名したがシリア、北朝鮮、ソマリア、エジプト、アンゴラの五ヶ国のみ署名していない。明確な殺意が立証される化学兵器が国家間紛争で使用される可能性は極めて低くなっているが、明瞭ではない生物兵器の恐怖はむしろ増大しつつある。怪しげな噂話を鵜呑みにしたくはないが、HIVもSARSも特定の人種を攻撃するために人為的に製作・発動された実験兵器だという説もある。この冬、北米大陸で豚由来のA型インフルエンザ変異型が発生し、患者数が急増、すでに死者も出ているが、ここにも奇妙な噂話が囁かれている。昆虫ほどの大きさの無人機を操作して特定の区域にウイルスを撒くことは寔に(まこと)可能なのである。      (黄不動)