みょうがの旅    索引 

                    

 新アジア主義のもと、ツラン同盟の結成を!
    (世界戦略情報「みち」平成8年(1996)9月1日第13号)

世界権力による冷戦終結後の世界戦略を、本誌は「霊戦構造戦略」と命名した(第十号「世界権力の新戦略霊戦構造を論ず」参照)。米ソ東西対立という壮大なペテンによって軍事的・経済的な覇権を世界規模で着々と確立してきた世界権力が、いよいよ霊的精神的な文明文化の領域でも世界一元化作業に本格的に着手したのである。
 霊戦戦略の目標は、民族国家の解体と民族主義の撲滅にある。ハンティントン教授のいう「文明の衝突」の真意は明白である。それは「異文明を撲滅するぞ」という宣言にほかならない。そして、生き残るべきは憎悪を本質とする「黙示録文明」ただひとつであるという前提は、今後も隠されたままだろう。
 世界権力が霊戦構造をもって世界戦略としたのは、いまが初めてではない。ただ、かつての冷戦構造に代わる世界規模の戦略として本格的に始動されたという意味は、きわめて深刻に受けとめなければならない。霊戦戦略は、古来からの民族固有の言語・信仰・風習などの精神的環境を破壊し、個々人一人一人の精神を破壊し、個人を奴隷化することを戦略の重要項目とするからである。
本号の「世界情報分析」では、まず「欧亜百五十年戦争の現在」と題し、東アジアの近現代一五〇年の歴史を「欧亜百五十年戦争」として捉えることを提唱した。中国と台湾の分断・対立を謀る世界権力の意図を日本が十分に認識し、中国・台湾それぞれの事情を理解した上で、東アジア全体の共存・共栄を達成するため日本が重要な使命を担っていることを、改めて説いたものである。
 同じく、「イラク爆撃と西の日本・トルコ」では、CIAを簒奪した世界権力ユダヤ系勢力と、FBIの拡大伸張をはかりつつある愛国派勢力とによって、米国の国権がまさに二分された事態にあることを指摘し、イラク爆撃は、そうした米国の国内闘争を有利に導くため世界権力=CIAが仕掛けた搦め手からの戦術であることを分析した。
 そして、エルバカン政権のもとイスラム回帰をめざすトルコが、今回のイラク爆撃によって、親イラン・イラク外交を脅かされ、呻吟・苦悩する状況に思いを致し、その歴史を振り返って、トルコがまぎれもなくアジアの一員であり、ともに世界権力に対抗し欧亜百五十年戦争を戦う同志として日本は連帯すべきことを訴えた。
われわれが「欧亜百五十年戦争」という歴史認識を提唱するゆえんは、この認識に立つことによって、真の共通の敵の姿をはっきりと捉え、アジア各国の分断対立をはかる敵の工作を看破し、小異の解決は個々に進めつつ、アジアすべての国家の自主独立と共存共栄を目指す「新アジア主義」に立ち、相互協力の同盟を結ぶことが可能になるからである。
 いまかりに、その同盟を、深い由緒をもつ「ツラン同盟」と命名するならば、西ヨーロッパをのぞくユーラシア大陸のすべての国々が網羅されることになる。
 ツランとは、シュメール語で天子の意味であり(太田龍『古代シュメールは日本に封印された』日本文芸社参照)、「ツラン同盟」とは、みずからを天の子孫であるとする歴史的な自覚に立つ民族の同盟である。
「ツラン同盟」の一員として日本の急務はなにか? それは占領基本法にほかならない日本国憲法の廃棄、新憲法制定であり、国連(ジョン・コールマン『三百人委員会戦略編』第一章は現在の国連の正体を暴く数少ない文献。熟読を乞う)脱退の準備である。
 だが、まずなにより肝要なのは、日本の社稷の確立であろう。つまり「まつりごと」が恙(つつが)なく行なわれることこそ、すべてに優先する。その意味で、天皇陛下による靖国神社ご親拝を一日も早く実現し、欧亜百五十年戦争に身をもって殉じた英霊の御霊(みたま)を安んじて頂くとともに、日本の社稷の根幹としての「まつりごと」に勤しんで頂くことがいまの日本の混迷を開く原点となる。(天童竺丸)