みょうがの旅    索引 

                      

 「チベット仏教はツラン民族全体に布教する」
               (世界戦略情報「みち」平成22年(2670)5月1日第315号) 

●先号続稿を書く予定だったが、急遽予定を変更してツラン情報の最新版を耳にしたので、紹介することにした。尊敬する「兵庫通信」の村上学さんにすべて負うものである。
 過日、東京で在米の支那人民主運動家の体験談を聞く催しがあり、村上さんからお誘いを受け、「月刊中国」の鳴霞さんからもご連絡頂いたので、出席することにした。自ら悲惨な体験を余儀なくされた人の話は充分同情に値するが、「共産主義」が海外発の旧型の病魔であるように「民主主義」もまた渡来性病原菌であり、いずれも支那を蝕むことにおいて変わりはない。ただ、「民主主義」は最低限の正義を求める合言葉のように勘違いされている傾向もあり、鴉片で蝕まれた支那は次に「共産主義」の猛威に襲われ、やがて今度は「民主主義」の甘言に誑(たぶら)かされるのかと感慨を深くした。かくいうわが日本もまた、「民主主義」に犯され尽した観があり、ただ他人事と嗤っているわけではない。
●それはさておき、村上さんから今度の「兵庫通信」に「ツラン」のことを書くから期待してくれとの言葉があった。自分のことをほとんど語らない村上さんにしてこの言あり。大いに期待して「兵庫通信」を待った。
 四月二九日発行の第六四号が届いたのはつい先日である。その第一面に、「チベット仏教はツラン民族に布教──文化大臣談」の見出しが大きく出ている。
 村上さんの仲間である高井保治氏が「チベット亡命政府」が置かれているインド北部の高地ダラムサラにダライラマ一四世を三月中旬に訪ねた時の話である。三月一一日にチベット外交部が主催したパーティーで、文化大臣が

 チベット仏教は、ツラン民族全体に布教するつもりです。

と明言したというのだ。その会合には首相はじめ主要閣僚や議会議長も出席していて、文化大臣の発言はチベット亡命政府の意志として行なわれたという。
●一国の政府の公式見解に「ツラン」という言葉が出るのは一大事件である。「ツラン同盟」を勝手に名乗っている私としては大いに嬉しい。ツランを日本で語っている者がいるのかと驚いて、トルコの青年が連絡してきたのは去年のことだった。トリノ冬季五輪大会で荒川静香選手が「トゥーランドット」の曲でスケート競技の金メダルに輝いた快挙も記憶にあるが、「ツランの姫」であるはずの主人公が支那娘に歪曲されたのはヴェネツィア流の奸計であって、姫に求婚する外国の王子にわずかではあるがツランの面影を窺わせるのが、せめてものご愛嬌といえよう。事ほど左様に、「アーリアン学説」によってインド文明を換骨奪胎したのと同様にツラン文明およびツラン民族の痕跡を徹底的に抹殺破壊したのも、東インド会社の一大文化謀略の一環であった。
 小泉首相がトルコを訪問することになったとき、共同声明の文言のどこかに「ツラン」を入れることはできないかとトルコ側に事前に申し入れたことがあるが、「現在トルコと微妙な関係にあるイスラエルを刺戟するので、無理である」との返答があったのも、謀略のすさまじさを物語る証左であろう。
 文明の衝突という国際的謀略の荒波の只中に翻弄されているダライラマの政府が「ツラン民族全体」を布教対象にすると発言したことは重要だ。村上さんは「世界の文明の衝突の最終局面になるかも知れない」と述べている。

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