みょうがの旅    索引 

                    

  中東大騒乱から文明転換への道 
         (世界戦略情報「みち」平成23年(2671)3月1日第333号) 

●中東地域での騒擾がつづいている。民衆の民主化要求の盛り上がりによる体制転覆の動きは米国が伝統的に官民挙げて各国に仕掛けてきた謀略工作の成果である。近年の動きを見てみると、セルビアにおいてミロセビッチを倒した二〇〇〇年「ベルベット革命」を始め、旧ソ連圏のグルジアの「バラ革命」(二〇〇三年)、同じくウクライナにおける「オレンジ革命」(二〇〇四年)など一時的に奏功した例もある。
 今回の中東騒擾も、一部マスコミなどで「ネット革命」とか「SNS革命」(SNSとはソーシャル・ネットワーク・サービスの略、ネット上で様々な結び付きを提供する)などと命名されていることから考えても、基本的には米国が仕掛けてきた一連の「世界民主化革命工作」の一環であることは疑うべくもない。
●かつて高校生だったビル・ゲーツがパソコンの基本駆動ソフトを開発してマイクロソフト社を設立、一躍にして億万長者となるサクセス・ストーリーをもてはやされたように、今回の中東騒擾でもジュリアン・アサンジが始めたウィキリークスの暴露情報の影響や、マーク・ザッカーバーグの手で開発されたフェイスブックが若者をデモ参加へと駆り出した役割が誇大に取りざたされているが、米国による「官民挙げての情報工作」の中の「民側」の顔の代表だけが体よく喧伝されているに過ぎない。
 ウィキリークスによって米国の外交文書が暴露されて面目丸潰れになったなどというまことしやかな話が世界中に駆け巡ったかと思ったら、次に来たのが中東の連続的民主化要求の一大報道であったことの経緯をよくよく踏まえておかなければならない。
 インターネットにおける情報収集や新たな人との結び付きは確かに便利であるし、今日ではこうした便利で楽しいオモチャなしでは大人も子供も企業も個人も日も夜も明けぬという有様ではあるが、「エコ、エコ」なる大合唱の胡散臭さと同様に、裸の王様の寓話を想い出して、自分の目が見たもの自分が感じるものこそを素直に信じるべきであろう。
●地球の各地域にはその土地その土地に相応しい人の暮らしがあったはずである。それを蹂躙してきたのが、略奪文明の悪しき伝統である。この病原菌は十字軍による東方世界との接触に端を発し大航海時代を迎えて世界中に蔓延されてきた。すなわち、文明の略奪と強要である。
「民主化」がどんなに素晴らしいものであっても、他の地域や他の国々にまで強要するのは断じて間違っている。まして、利権や覇権を拡張するため「革命」を輸出するというフェニキア=カルタゴ=ヴェネツィア流の謀略工作は早晩破綻を来たすに違いない。
 民衆に与えた楽しいオモチャであるネットやSNSがやがて彼らの謀略を白日に晒すだろう。自縄自縛とは、このことか。サブプライムによる金融操作の行き詰まりを打開する次なる工作として一連の中東騒擾が発動されたと思われるが、故郷無き民ユダヤ人による各国に対しての悪足掻きはますますマッチポンプの感を深くし、底の浅さを露呈してきている。
●強要するまでもなく、誇らずとも奨めずとも、自然に他国の人が自分から真似したくなるような、そんな暮らしぶりをわが日本人は培ってきた。自然のさまをお手本として競わず争わずの暮らしの中から生まれてきた様々な工夫と発明をこそ、わが日本は世界へ向けて差し出したいものである。