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  戦略的稀少物質ウランの独占 
       (世界戦略情報「みち」平成23年(2671)7月15日第342号) 

●「英国こそが三・一一事件の元凶」だというのは、何も英国そのものや、英国民を非難しているわけではない。英国市民にあらざる外国の勢力による「市民革命」や英国そのものにとって不名誉極まりない「名誉革命」により英国という国家の纂奪をやってのけた「ヴェネツィア党」なるごく一部の連中のことを指している。
 かつて彼らは地中海交易を制覇し、数次の戦争によりローマに敗れてからはそのローマに潜伏しつつ、東方宗教によりローマ内部の腐敗堕落を図り外部からは「蛮族」を呼びこんで宿敵ローマを滅亡せしめたが、やがて自らはアドリア海北端の干潟に跼蹐(きょくせき)して潜伏の時を経た後、再び地中海交易を奪還するや、遠くアジアや両米大陸にも触手を延ばし昔日を凌駕する繁栄を誇った。
 だが、カンブレー同盟による国家崩壊の危機を味わうという苦い経験に鑑みて再び司令塔の移転を決意する。アルプスを越えドイツに潜入を図りつつ一方で新興の低地国家オランダを拠点として世界交易の制覇へと乗り出すも、司令塔の最終移転予定地は英国首都ロンドンのシティーであった。
「大航海時代」を経て世界交易の版図と規模が飛躍的に拡大するとともに、新大陸北米のニューヨークにも副司令塔(新大陸支店)を設営、世界覇権の中枢として米国を育てながら、内部からこれを操ってきた。世界交易司令塔の本店がロンドンのシティーで支店がニューヨークという構図は今日もまったく変わっていない。
 彼らは「黒い貴族」と呼ばれることがあるが、われわれは「世界権力」と仮称している。ユダヤ人の一部が国際金融勢力とか国際ユダヤ資本などと呼ばれるのは、有史以来世界交易を牛耳ってきた彼ら黒い貴族に仕える、宮廷ユダヤ人の今風の呼称にすぎない。
●いずれの時代においても、稀少かつ戦略的な価値のある交易品を独占すること、それが彼らの目標だった。A地点からB地点まで商品を運んで交易しても、利益は限られているし、常に競争に脅かされる。独占とは、特定の商品の生産から流通と販売まで一手に握ることを意味する。
 そのようにして彼らが独占した戦略的稀少品の始まりが「紫」という高貴なる染料だった。それゆえにこそ彼らは「紫の民」(フェニキア人)と呼ばれたのである。
 次に彼らが独占した戦略的稀少品がガラスだった。ヴェネツィアン・グラス(Venetian glass = vetro di Murano)といえば、今日でもガラス工芸の優品として世界的に定評がある。ただし、もはや紫もガラスも独占すべき戦略的稀少価値はなくなった。彼らが独占する最新の戦略的稀少物質こそが原子核燃料のウランである。
●三・一一事件以後に出た原発関連本の中でもっとも卓抜な内容をもつのは鬼塚英昭『黒い絆──ロスチャイルドと原発マフィア……狭い日本に核プラントが54基も存在する理由』(成甲書房、本年五月三〇日刊)である。鬼塚氏は原子爆弾と原子力発電の元凶として、第三代ロスチャイルド男爵ヴィクター卿(一九一〇~九〇)を名指しで糾弾しているが、ウランという最新の戦略的稀少物質の独占はヴィクター卿一個人の力でなしえるものではなく、表看板として宮廷ユダヤ人を使嗾する世界権力の意志によるものと解するのが自然である。
 一九七二年にフランス原子力委員会(CEA)が米国を除く加・豪・南ア・仏を糾合してウラン生産国の「五ヶ国クラブ」を結成した際、英国ではなく一民間企業のRTZが入っている事実が真相を雄弁に物語る。