みょうがの旅    索引 

                      

  霊能者皆本幹雄の霊言 4 
      (世界戦略情報「みち」平成24年(2672)11月1日第370号) 

●皆本幹雄『縄文の海人群像黎明編』(株式会社いしずえ、平成一五年刊)は不思議な本である。安芸厳島神社の「御烏喰式(おとぐいしき)神事」の説明と、皆本氏が霊視したという六〇〇〇年前の安芸宮島周辺で繰広げられた人間と奇獣入り乱れての一大争乱とが、ごた混ぜになっている。しかも、誤字脱字は当たり前、まったく同じ文章が数頁後に繰り返されているなど、およそ編集・校正の作業が加わっていない粗雑な本作りで、とても普通では読むに堪えない。だが、玉石混淆というから、滅茶苦茶なこの本にも何かしら玉があるはずだ。皆本氏の霊視したヴィジョンの内容を素直に読み取ってみよう。
 今から六〇〇〇年ほど前のことである。トガツチヨと呼ばれる指導者に率いられた四〇〇人ばかりの海人族の集団が瀬戸内海を渡って広島湾に入り、安芸の宮島辺りにやってきた。彼らの乗る船は、「ヒノキの丸太棒をタテ切りにして舟形にして、サメの皮を何十枚も張りつめて、隙間に漆を松脂でかため、さらに丸竹を巧みに接着させている」一〇人乗りくらいの大きさである。ちょうど厳島から一日航程ほどのところまで来たとき、一つの島が陥没するやら台風が襲い来るやら、天変地異の真っ只中に投げこまれた。しかも空中には爬虫類のような異類が飛び交い、海中では、ジュゴンと海人族との獣婚が行なわれ、やがて海中より龍が現われて数百メートルの天空高く舞い上がる。……
●この異様な光景はともかく、宮島に渡来してきた四〇〇人ほどの海人族とは何者か。皆本氏はいう。

 世界万国ともかく人が至るところに住むことごとくを統治していた。しかも空間も時間も、自然現象の動きも人力にて同調出来る人物、こうなると、地球上の何もかも、治世可能権力をもつ人間たちということになり、当初よりの数千年間は日本国土から派生した、つまり我々の先人たちが、各地に赴任していたのだ。いつの頃のことかと、……、神罰を恐れず、あえて、私の答をとするならば、三万年前!……
 世界各地に散らばる優秀な日本人の二世、三世、四世、五世がそろって日本に里帰りをした群団が彼ら首領(トガツチヨ)たちなのである。しかし、第一団ではなく、第五、第六、いや第十団が百人の単位数で、日本国土上陸を果たしているという。今回の日本返り咲きは、アジア、ヨーロッパ、エジプト方面の、実に広範囲のいわば、五色人合衆国だというのだ。いずれも、超古代日本人の血脈を本流とする面々である。

●ここに語られているのは、いわば、「変形立体史観」とでも呼ぶべき日本中心説である。前著において皆本氏は、ヒマラヤ山脈の麓からインドを経て船で伊勢地方に渡来した海人族のことを書いているが、それは今から二三〇〇年前のことだと言っている。今回の話は、六〇〇〇年前の縄文時代の海人族渡来の状況を霊視したものだという。しかし、皆本氏の説がユニークであるのは、そうして次々と日本に渡来する海人族たちはもともと日本から海外へと出かけていた人たちで、里帰りなのだとする点である。
 野郎自大の傲慢は厳に戒めるべきだが、わが日本列島が人類全体にとって特別の場所であり、日本人に特別の使命があることだけはどうも疑いようがない。「人類全体皆兄弟」とはどこかで聞いた標語だが、素直にこう思っている日本人は少なくない。